2007年05月01日

ブラッドパッチはどこへ

ブラッドパッチというこの脳脊症にとっての治療について,
どこにどれだけの量を何回やったらいいのか・・・・?
多くの患者がとまどいつづけています.
それは医師もまた同じ事ですが,最近になってひとつ
方向性ができてきたのかもしれません.

下のリンクですが,これは原資料の転載と言うことで隠してありますが,クリックすれば開きます.
時間のある人はご覧ください.山王病院の美馬医師がネット掲示板に書き込みをしたものです.
「いろいろ」と「もごもご」と「ながなが」と書いてありますが,この中に重要な文言をみつけました.11/10の書き込みですが,
「〜九州からの未成年の女性で4回のブラッドパッチをしてもまったく良くならない症例を、逆に髄液を排除する治療に切り替えようと考えてしましたが、念のために篠永先生に紹介すると、頚椎部のより上の部位でのブラッドパッチを施行し(私も既に、胸椎の第1と第2の部位でブラッドパッチもしていましたが)、その後2ヶ月くらいから、めきめきと症状が改善しています。〜」
というものです.

画像に対してBPをしてこれでいいはずなのに,良くならない.
でも首にしたら良くなったということです.
つい先日私の知り合いが山王病院に入院をして初BPをしました.
RIシンチでは漏れ箇所は見つからず早期膀胱集積のみでの診断でした.
以前なら,じゃあまずは腰椎にとなるところですが,最初のBPが胸椎1/2だったそうです.
明らかに昔とは方針が変わってきています.(゜ε゜;)
むしろ上のほうでははっきりと自覚してきているのかもしれません.
以前書いた,「頚椎パッチが有効」や,「脳脊髄液減少症の本〜その2〜」の内容が,
現実になってきているようです.

となると,私は立派に実験に貢献した一人,ってなことになるようですね.

以下の内容は2006年11月に,
川上宏さんのHPの掲示板
http://cgibbs.mmjp.or.jp/bbs/show/www.ringo.ne.jp/bbs
に山王病院の美馬医師が,書き込んだ内容を転載したものです.
掲示板という性質上後ろに流れ続けてしまって目にとまらなくなるのは惜しいと考えての転載です.関係者の方々には,ご了承いただきたく,お願いいたします.

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870 山王病院/美馬 2006 11/08 12:34
p12245-ipbffx02marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp[222.147.75.245]
Dears さまへの質問と意見part-1

川上宏(管理人)さま
山王病院脳神経外科の美馬達夫です。この掲示板を拝読し始めたのが1ヶ月前からですが、Dearsさんの投稿の内容には問題があります。遅ればせながら、質問と意見を申し上げます。
2006 09/15 (818)にて「山王病院にて悪化などしてるわけでもなく、BP自体も成功してる方も知ってますが、私のネット仲間では悪化した方が半数以上占めてます」とありますが、ネット仲間は何名で、半数以上の悪化の内容についてお教えいただくと幸いです。私は今、治療した患者さんの詳細なフォローアップの解析が一番重要と考えており、取り組み始めたところですので、ぜひ参考にしたいのです。


871 山王病院/美馬 2006 11/08 12:35
p12245-ipbffx02marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp[222.147.75.245]
Re:Dears さまへの質問と意見part-2

また、Dearsさんは何回かに渡ってRI脳槽シンチの危険とその後の悪化を強調していますが、低髄液圧症候群の診断には(つまり髄液の漏れの有無とその程度を知るには)、RI脳槽シンチが、現時点ではもっとも信頼性の高いものですし、脳脊髄液減少症研究会で作成する「暫定ガイドライン2006」でも確定診断の基準にしています。MRIミエロでは、少数の典型例を除けば、診断は実質的には困難です。治療方針として、RI脳槽シンチをすると、針孔から髄液が漏れて不利益だから、治療方針として「ブラッドパッチ(EBP)だけを行って、良くなればそれでよい」という考え方の人もいますが(川上宏さんもその考えですが)、原則的に、私はこの治療方針に反対です。低髄液圧症候群は病態の未知の部分が多く、EBPを4回繰り返しても、約3割が改善しません。良くならない人は、果たして自分は本当にどれくらい髄液がもれていたのか、その時点で、とても不安になりますし、今後の治療方針を決めることが、最初の拠って立つ基準がないので、とても難しくなります。しかも、山王病院の治療方針では、RI脳槽シンチの翌日に、ほぼ全例にEBPを施行して、針孔は同時にふさぐわけですから、問題にはなりません。なお、10月19日に京都での脳外科総会で私が発表しましたが、穿刺で起こりうる髄液漏れは、定量すると、RI脳槽シンチで、明らかな髄液漏れ所見があるその漏れの量に比べると、全く無視しうる微量です。つまり、損保会社が「検査の漏れは針孔からの漏れである」という主張は間違いなのです。


872 山王病院/美馬 2006 11/08 12:36
p12245-ipbffx02marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp[222.147.75.245]
Dears さまへの質問と意見part-3

さて、Dearsさんが誰なのか私には同定できませんし、何故、RI脳槽シンチで腰椎部に漏れがあるのに退院し、その後の悪化があるのに、再入院してEBPをしなかったのか、理由がよく分かりません。私が唯一考えうるのは、RI脳槽シンチで一見漏れがあるような所見でも、実は、髄液が過剰に貯留する病態となっているが、髄液が漏れることで、生体としての代償作用が働いている場合です。私は1例ですが、EBPを3回したけど改善せず、髄液圧の詳細な測定の結果、髄液の貯まる水頭頭になっているはずだと考え(脳室拡大などの所見はまったく正常なので、良性頭蓋内圧亢進症というべきかもしれませんが)、髄液を排出するシャント手術でフラツキが改善し、職場復帰したことを経験しました。つまり、EBPをすればするほど、悪化していく症例もありうるのです。したがって、ある時期から、私は、RI脳槽シンチの漏れの所見があっても、患者の症状の経過によっては、その時点でEBPをしないことがあります。しかし、その場合でも、症状の悪化が退院後も続くことがあれば、その患者は低髄液圧症候群と診断せざるをえず、後日、EBPをします。 Dearsさんが、RI脳槽シンチのみで退院し、その後、まったく来院しなかった理由は個人攻撃になるので書かないとのことですが、もし来院すれば、結果は違っていたはずです。なお、腰椎穿刺で抹消神経(脊髄ではなく)に触れることは、偶然として避けられず、技量の問題ではないと思います。麻酔科のどんなエキスパートでも、経験をすることだと思います。
私が、ここで申し上げたいのは、RI脳槽シンチの危険を強調しすぎるのは間違いであり、低髄液圧症候群の治療の方向を間違えさせる可能性があることです。


892 山王病院/美馬 2006 11/09 14:29
p12245-ipbffx02marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp[222.147.75.245]
シンフォニーさまへの回答

シンフォニーさま CC:管理人さま
川上さんへ。私は本当に美馬ですので、山王病院に電話をして、確認をして、掲示板でアナウンスをしていただけますか?今後、どれくらい、この掲示板に回答を続けるかは分かりませんが、私は、DearsさんがRI脳槽シンチの危険を強調するのが大きな問題と考えて、悩んだ末に、この掲示板に書いているのです。
山王病院は、現在は完全な自費診療に移行しており、RI脳槽シンチと翌日のブラッドパッチをする3泊4日の入院で約32万円です。低髄液圧症候群の診療が保険適応なのか否かの判断が各支払基金の事務所で未決で、保険が効いていた時は、約18万円でした。山王病院は全個室なので、他の病院より値段が高いとは思いますが、それでもなんとか頑張れば治療を受けることができた金額ですが、今は、多くの人にはとても大きな負担金額です。でもこれでも保険点数の 100%で、自費診療として150%とか200%といった過剰な請求でもないのです(保険請求に詳しい人しか分からないかもしれませんが)。
さて、シンフォニーさんの質問ですが、現在、低髄液圧症候群を治療している医師の中でも診断基準は異なりますし、治療方針も異なります。脳脊髄液減少症研究会でも、暫定ガイドライン2006を作成していますが、これは、一般の医師にも納得のいくような基準を目指して決めたので、典型例を救済するが、灰色の症例は脱落するということが生じます。私個人は、RI脳槽シンチの所見は絶対の基準ではなく、臨床症状こそが重要で、シンチ後悪化する症例はブラッドパッチをすべきと考えていますが、これは少数派の意見かもしれません。したがって誤診か否かではなく、「通常は必ずRI脳槽シンチの翌日に、ほぼ全例にEBP を施行して、針孔は同時にふさぐものなのですか?訴えたら勝てますか?」という問題でもありません。山王病院では診療として効率がいいので、シンチの翌日にブラッドパッチをしていますが、入院ベッドの空きの都合で、検査と治療を分けることもあります。私は最近は、RI脳槽シンチの判定の困難な症例は、シンチ後の1週間の症状が悪化する場合は、低髄液圧症候群と診断してブラッドパッチをするのが、診断として明快なのではないかと思っており、検査と治療を分離した方がいいとも考えていますが、治療の金額が高くなるデメリットがあります。


898 管理人 2006 11/10 10:22
softbank221045168010.bbtec.net[221.45.168.10]

これから仕事で出かけなくてはならないので簡単に記します。
ここに初めて投稿したひとには改めて挨拶をさせてもらいます。
いま問題になっている美馬先生の投稿で、本人の投稿かどうかということも注目されていますが、美馬先生から私に電話があり本人だということでした。
直接会っての本人確認ではないので100%とはいえませんが99%間違いないと思います。
もし偽者だとしたらとても頭の良いすごい人でしょう。
 (後略)


899 山王病院/美馬 2006 11/10 10:32
p12245-ipbffx02marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp[222.147.75.245]
低髄患者さまへのお返事

現時点では、99%本物の美馬です。
良性頭蓋内圧亢進症(かつて、根拠なく「高髄」と言われていた病態と類似したものと考えていいと思いますが)と診断した症例は1例のみで、まれと考えるべきです。篠永先生も本の中で、ブラッドパッチの後、一過性に頭蓋内圧が上がる人はまれであり、その時もグリセオールなどの頭蓋内圧を下げる点滴で対処でき、実際上は問題にならないという趣旨のことを記しています。私も現在は同感です。私は水頭症という、髄液が貯まる、低髄液圧症候群とは逆の病態が、かつては専門なので、神経質になりすぎているかもしれません。最近の失敗としては、北海道からの女性に、初回のブラッドパッチ後に、頭蓋内圧が上がって悪化していると診断し、髄液を排除する治療をし、その後症状が悪化し続け、迷惑をかけ、信頼も失い、他院の先生に泣きついて、その後の治療をお願いしました。ブラッドパッチをしても、いつまでたっても良くならない症例の病態は、私にも今もとても不可解です。半年前までは、私は難治性の症例は、頭蓋内圧が上がっている可能性があると考えていました。しかし、九州からの未成年の女性で4回のブラッドパッチをしてもまったく良くならない症例を、逆に髄液を排除する治療に切り替えようと考えてしましたが、念のために篠永先生に紹介すると、頚椎部のより上の部位でのブラッドパッチを施行し(私も既に、胸椎の第1と第2の部位でブラッドパッチもしていましたが)、その後2ヶ月くらいから、めきめきと症状が改善しています。この症例に出会ってから、頭蓋内圧が上がって悪化しているという考えにも慎重になっています。いつまでも治らない人は、漏れがまだ一部でも残っているからなのか、逆に髄液が貯まって悪化しているのか、今、私は明快な答えを持たず、模索している段階です。しかし、もっと重要なことは、本当に髄液が関係しているから今の症状が出ているのか、別の病気が隠されていないか、の基本に戻った検討も難治性の症例では、大切と考えます。「うつ」、胸郭出口症候群、逆流性食道炎、胃炎、胃潰瘍、下痢、便秘、睡眠障害、などなど、どちらが原因で結果か、分からない面もありますが、特に「栄養」と「睡眠」という基本的な二つの要素を様々な手法で改善していく努力を重ねることが大切と思います。なお、質問にありますプラセンタ療法については経験がなく回答不可能です。
posted by bfcbud at 10:44| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 脳脊髄液減少症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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