2007年03月02日

脳脊髄液減少症の本〜その2〜

低髄液圧症候群―ブラッドパッチを受けた人、または、これから受ける人へ低髄液圧症候群―ブラッドパッチを受けた人、または、これから受ける人へ
販売元 : Amazon.co.jp 本
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[タイトル] 低髄液圧症候群―ブラッドパッチを受けた人、または、これから受ける人へ
[著者] 吉本 智信
[種類] 単行本
[発売日] ..
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amazonに写真が無いのでアップします。
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その1で少し紹介しましたが、吉本医師の書いた疑問派の本です。

 この本と医師は大変な曲者であります。
まず、この本が、自動車保険ジャーナル社の「精神医学と賠償シリーズ」として発行されていること事態に疑問をいだきます。
 _, ._
( ゚ Д゚)なぜに精神医学?

 かつて、いや今もかもしれませんが、脳脊症の患者は精神病扱いされてきました。つまり詐病として保険会社には扱われていたのです。
 吉本医師は現場派の脳神経外科医でもありますが、保険会社御用達の医師でもあります。吉本医師は、脳脊症の存在を理論的には認めるが、実証的には認めないというスタンスで執筆されているようです。学問的にこの病気は存在するが、実際の患者は存在しないというわけです。机上ならぬ臨床上の空論だよと指摘している感じですね。

 ただし、この本を読むことによって、篠永医師ら肯定派グループの先生たちにも不備があることがわかります。例えば、画像検査については、この本を読めば1次現象をとらえることはほぼ不可能ということが科学的に理解できます。
 この病の権威であるMokri医師の論文でも明確な1次現象画像(髄液漏れ箇所の画像)は撮られていません。篠永医師らが髄液漏れとしてきた画像の数々は、ここで指摘されている髄液検査の際に発生するエラー画像とそっくりで、しかも腰に集中しています。そして、実際ブラッドパッチは、腰ではなく、首にしたときにほとんどの患者さんで大きな効果がでていますから、損傷部位を画像で捉えることは、本当はできていないと言ってよいと思います。これは以前書いた、首からの漏れが多いというエントリーとも通ずる内容です。
 ちなみに2次現象については、画像なり検査結果を得ることが出来ます。例えば、髄液圧の低下、MRI頭部矢状断面画像による脳の沈下など。ただしこれらは、硬膜に穴があるせいで髄液が減少して発生しているのか、髄液循環系に異常をきたしているために発生しているのか、区別はできません。

 この本は、全体を通して、建設的な意見が少なく、保険会社の事故担当者が、保険金支払いを回避するための資料と論説がてんこ盛りという感じです。ただし、無理に反論している部分もあるので、どこかに論文として投稿しても受理はされない、というレベルです。

 患者さんが読むと大変不快感を感じ、本を閉じたくなるのではと思いますが、それでも一読あるべき本だと思います。
posted by bfcbud at 12:10| 東京 ☀| Comment(8) | TrackBack(0) | 関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月10日

脳脊髄液減少症の本〜その1〜

あなたの「むち打ち症」は治ります!―脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の決定的治療法 あなたの「むち打ち症」は治ります!―脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の決定的治療法
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[タイトル] あなたの「むち打ち症」は治ります!―脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の決定的治療法
[著者] 篠永正道 山口良兼 守山英二
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 脳脊症の本は現在数冊発行されております。
amazonで一般的に手に入る本は4冊あります。(検索ワードは、脳脊髄液減少症では3冊、低髄液圧症候群で4冊。旧版などは数えない)
このうち、2冊は医療従事者が書いたもので、残り2冊は患者が書いたものです。
 脳脊症は、病気としてはいまだ立証が確実ではない研究段階にあり、治療方法としては臨床で実験段階にあるにすぎません。そのため、存在そのものや方法についての賛否両論が絶えません。出版される本にもその影響が出ています。
 医療従事者が書いた2冊のうち、1冊はこの病気を発見し臨床治療をここまで牽引してこられた篠永医師ら肯定派グループの本。もう1冊は、肯定派の美馬医師とは大学時代の同期であり優秀な臨床脳神経外科医である、吉本医師が書いた疑問派の本です。吉本医師の本は自動車保険会社系出版社のシリーズ本として出版されており、主に自動車保険の担当者が対策本として活用することに主眼がおかれています。

 このうちまず、篠永医師の肯定派の本を紹介したい。
この本と、吉本医師の本を読めば、医療や社会がこの病気にたいしてどのような態度でいるのか、だいたいの現状を把握することが出来ます。

 分かりやすさを追求したため、治療による弊害や副作用についての記述が少ないのですが、病気の発生するメカニズムや、どうすればいいのか、罹患している患者にとっては「目から鱗」状態がつづくこと間違いなしの本です。不定愁訴に長年悩んでいる人は、誰でも一度は読んでみることをお勧めしたい。
 不定愁訴が起きるメカニズム・治療方法としてのブラッドパッチについて・被験者の手記・疑いのある人のためのチェックポイント・今後の課題について書かれております。
 ただし、実験段階の治療法を紹介しているため、いくつかの記述については今後大きく改訂されることも承知の上で読む必要があります。
posted by bfcbud at 15:18| 東京 🌁| Comment(6) | TrackBack(0) | 関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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